建物の特徴
島薗家住宅は、西に洋館部、東に和館部が配置された「和洋並置式」で建てられています。(※2022年に和館は解体)
洋館部分の外観は、1階庇廻りにめぐらされたレリーフ状の連続装飾や、アプローチのトレリスなど、ドイツ建築に見られる装飾や、昭和初期に流行したスパニッシュ様式の意匠を見ることができます。洋館部分の屋根はフラットルーフで、内樋が設けられていました。
昭和16年に増築された2階洋室には、軍艦や戦闘機がデザインされたステンドグラスがあり、当時の時代背景を映しています。
2001(平成13)年に国登録有形文化財となりました。
建物の概要
所在地:文京区千駄木3-3-3
竣工年:1932(昭和7)年
1941(昭和16)年 2階増築
設計 :矢部又吉 (増築部 古賀一郎)
敷地面積:約485 ㎡
延床面積: 242.88㎡ (1階:175.50㎡ 2階:67.38㎡)
<公開情報>
不定期で特別公開をしています。情報は、たてもの応援団HPまたは島薗家住宅Instagram(@shimazono_sendagi)をご覧ください。
★貸館、取材等に関する問い合わせ
電話:03-3821-0628
メール:shimazono.sendagi★gmail.com(★を@に変えてください)
※建物の所有・管理はたてもの応援団ではございません。貸館については上記にお問い合わせください。
島薗家住宅とたてもの応援団
島薗邸を残したい
2000(平成12)年の1月、「地域雑誌 谷中・根津・千駄木」の編集部に島薗邸の継承者から電話がありました。
御当主の島薗順雄(のりお)氏も奥さまも亡くなられ、屋敷には今は誰も住んでいない。父母も新婚時代を過ごし、自分もここで生まれ、学生時代を過ごした思い出のある家を壊すに忍びないということで、詳しいことを伺い、地域雑誌にその話を載せました。設計者は銀行建築で知られる矢部又吉。設計図もすべて残っており、建築学科の学生さんが時々訪ねてくるという話でした。
たてもの応援団もその経緯を伺い、まずは文化財にしようと、継承者とともに文化財制度について勉強をし、2001(平成13)年に国登録有形文化財に登録。その間、家の整理の手伝い、見学会などのイベントを行うとともに、公益信託大成 自然・歴史環境基金助成を受けて調査・報告書作りを行いまし。
2015(平成27)年より公開のお手伝いをしています。