元町公園保存アクション

2007.2.13 :国の文化審議会第三専門調査会 名勝委員会 が文化庁長官あてに「東京都文京区元町公園の保存に関する意見書」を提出。
たてもの応援団が2006年末に文化庁長官あてに提出した指定要望書についても言及されています。
                                                               平成19年2月13日

文化庁長官 
近藤 信司 様

         東京都文京区元町公園の保存に関する意見書
 
貴職の文化行政へのご尽力に対し、深く敬意を表します。
 さて、標記の件につきましては、すでに平成18年7月21日付で意見をお伝えしたところで
すが、新長官がご就任になられ、また本件をめぐる地元の諸情勢もその後に大きく変わってま
いりましたので、改めて意見書を提出させていただきます。
 本公園は、ご承知のとおり、関東大震災の復興事業のひとつとして公園と小学校を隣接して
つくり両者の相互の利用によって地域のコアをつくる、いわゆる学校小公園と呼ばれるもので
あり、その発想のユニークさは当時の世界の都市計画関係者を驚かせたものです。しかし、当
初52箇所ありました学校小公園も現在では元町公園のみとなり、その優れた敷地選定と公園プ
ラン、ならびに昭和初期のモダニズムのデザインは今日では貴重な文化遺産となっております。
そのため、東京都の「史跡等整備検討委員会報告(平成16年3月31日)」では名勝として指定
すべき第一の候補にあげられ、さらに、昨年、都市公園法施行50周年を記念しておこなわれた
「日本の歴史公園100選(平成18年10月27日)」では、日比谷公園とともに元町公園が選定
されました。
しかしながら、地元文京区はこの公園の歴史および文化財としての価値を評価することなく、
公園を移転させたうえで敷地に区立体育館を建設する計画を立案して、昨年、区の都市計画審
議会に付議いたしました。区の都市計画審議会では、貴重な文化遺産と考えるので区の文化財
保護審議会の意見を聴く必要があるという意見が出されて継続審議となっております。しかし、
いまだに文化財保護審議会は開催されておりません。区は公園の施設の一部だけを残して、公
園を移転させ、区立体育館を建設する計画案を示しておりますが、公園から切り離された施設
は公園の施設ではなくなり、名勝としての価値を消滅させるものです。
私どもは、この問題が浮上する以前から、近代の造園遺産として芸術・鑑賞上および都市計
画学上も高い価値を有するこの公園は国の名勝に相応しいものと考えておりましたが、今回の
事態を踏まえて、その保存について格別のご尽力をくださいますよう文化庁に再度、お願い申
し上げるところであります。
その後、地元住民からも文化財指定の要望が文化庁長官に提出され、また周辺住民の意識も
大きく変わりつつあります。本年は公園開園から77年の年であるため、地元の人たちは1月
25日の公園開園日に喜寿を祝う会を開催するなど、大きな関心が寄せられつつあります。この
ような機運のなかで文化財指定をすることは絶好の機会であると考えられます。
 つきましては、本公園の保存に関して、一層のご尽力を下さいますようご意見申し上げます。

             文化審議会第三専門調査会 名勝委員会 委員長 □□ □宣  
                                             □□ 章
                                             □□ □一  
                                             □□ □正
                                             □□ □夫
                                             □□ 宏
                                             □□ □□子
                                             □□ □子
                                             □□ □□み

2007年1月9日:元町公園の都市計画変更案を廃案とする要望書を区長あてに            提出
                                                  平成19年1月9日


文京区長  煙山 力 様


                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                             <たてもの応援団>  
                                             代表 □□  昇  


           東京都市計画公園の変更案(元町公園)を廃案とする要望書

 表記の件につき、私どもは、下記の理由により、東京都市計画公園中文京第1号元町公園に関す
る東京都市計画公園の変更案(小公園・文京第1号元町公園を街区公園・文京第2・2・1号元町公
園に変更する事案)を取り下げ、廃案とすることを要求いたします。
 本件に関し、二度にわたる都市計画審議会において明らかになった文京区の姿勢は、公園・校舎
の保存活用を求める多数の地元住民・一般市民・学識経験者の意見を軽視し、一部関係者の非公式
言説を拡大解釈することで、切り抜けようとする姑息な手段に終始しており、「文の京」を標榜する貴
区政の内実に重大な疑問を提起するものであることを、特に表明いたします。

                             記

1.標記の都市計画変更案は、元町公園が、広い幅員の道路に面し、区の事業の展開上、都合のい
い体育館等複合施設用地として選ばれたにすぎず、事前にその文化財的な価値等や変更後の公園
の状態・機能上の問題について必要最低限の検討・調査もなされておらず、都市計画審議会に当該
の変更案を諮問したことの誤りは、平成18年度第1回・第2回の都市計画審議会の審議過程でさまざ
ま課題として既に明らかになっています。このそもそもの誤りに照らしても、当該の元町公園の都市計
画変更案は取り下げ廃案とし、体育館建設用地は、湯島の現在地を含めて再検討すべきです。

2.平成18年度第1回文京区都市計画審議会開催に先立ち、元町公園の都市計画変更案が縦覧れ
75通の意見が寄せられましたが、その中に賛成意見は皆無でした。縦覧の趣旨は都市計画の変更
について住民の意見を反映させることにほかならず、その趣旨を尊重すべきであります。

3.上記縦覧手続きを経て開催された文京区都市計画審議会において、元町公園の都市計画変更案
は二度にわたって継続審議になりました。これは、同審議会が第二回目の審議を行う前提とした、文
京区文化財保護審議会および景観審議会に正式に諮問するなどの必要な手続きを、区側が誠実に
実施しなかった結果であります。この異常な事態は、区が責務を誠実に実施すれば、都市計画変更
が困難になることが確実視されることを回避するための意図的怠慢です。

4.元町公園と旧元町小学校校舎を一体として保存・活用を求める保存要望書は、社団法人日本造
園学会、社団法人日本建築学会、社団法人土木学会(公園のみに言及)、建築史学会、社団法人日
本建築家協会等、多数の学術団体から提出されており、また、文京区文化財保護審議会全委員連
名による「元町公園・元町小学校の保存活用についての要望書」などによって、元町公園及び旧元町
小学校校舎が、首都東京の歴史上貴重な文化財であることが認知されております。さらに、都市公園
法施行50周年記念事業の一環として行われた「日本の歴史公園100選」にも選定され、全国レベル
で保全が求められております。

5.文化庁の名勝指定基準中、その対象として「大正12年の関東大震災の復興を契機として開設さ
れたもの」が明示されております。特に元町公園はほぼ完全な形で現存する唯一の復興公園として、
これもほぼ当初からの形態を保っている復興小学校校舎・旧元町小学校校舎と一体で保全されること
に大きな意味があり、文京区単独の早急な判断により、安易に改変・破壊されてよいものではありま
せん。


 このような状況および観点から、現元町公園を廃止して北側に付け替え、現公園敷地に大規模複合
施設を建設するための、標記の都市計画変更案は速やかに廃案とし、文化庁および東京都からの文
化財に関する各種照会・指導等に対して真摯に向き合い、保全を前提としたよりよい活用に方向転換
することこそ、貴区政の評価を内外に高める結果を生むと信じます。


                                                         以上


                               連絡先:文京区千駄木3-1-1 谷根千工房気付 
                                     文京歴史的建物の活用を考える会
                                         担当:多□ □子
                                         s_tani@t.toshima.ne.jp     
2006年12月27日:文化庁長官あてに元町公園と旧元町小学校を国の文化財           に指定するよう要望書を提出。
                                                平成18年12月27日


文化庁長官
 近藤 信司 様

                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                             <たてもの応援団>  
                                              代表 □□  昇  


               震災復興小公園・元町公園および旧元町小学校の
                       文化財指定要望書

 「文京歴史的建物の活用を考える会」は、文京区に所在する文化財や景観資源を保存活用する活
動を行っている市民団体です。会の発足のきっかけとなった旧安田楠雄邸(大正7年、東京都文京区
千駄木)は、所有者と話し合い、文化財として保存活用していくために(財)日本ナショナルトラストへ
寄贈の橋渡しをいたしました。その後、建物と庭園が東京都名勝に指定され、間もなく一般公開され
る予定です。また、同邸より150メートル離れた島薗順雄邸(昭和6年、矢部又吉設計、東京都文京区
千駄木)は所有者の資料整理等に協力して国の登録文化財となり、これも近隣の須藤公園ともあいま
って地域の景観に風格を与えております。全国規模で近代遺産の継承がすすむ昨今、微力ながら文
化財と景観の保護、及びそれらにふさわしい活用に尽力しております。私どものこのような活動は、文
京区からも高い評価を得ており、平成15年度には文京区「景観活動賞」を授与されました。
 私どもは、このたび、下記を要望いたしたく、ご高配をよろしくお願い申し上げます。

                            記

要望事項
 東京都文京区本郷一丁目に所在する震災復興小公園・元町公園と旧元町小学校という歴史的資
源が保全され、先人の優れたまちづくりの思想や歴史的・文化的意義を継承していくために、一刻も
早く国の史跡または名勝および建造物として文化財指定されるよう強く要望いたします。

元町公園および旧元町小学校の概要
 昭和2年(1927)に開校した元町小学校と、昭和5年に開園した元町公園は、関東大震災の復興事
業の中で進められた、モダンデザインによる小学校建築およびそれと連接する小公園の典型的な事
例です。
小学校は平成10年に廃校になりましたが、平成18年秋まで専門学校等の仮校舎として利用されてお
り、文化財として保護しながら再活性化が十分可能な建物です。公園は昭和60年に補修が行われま
したが、残されたオリジナルの姿を保存し、戦争中に失われた部分は、当初の設計図をもとに当時の
デザインを忠実に復原した意義ある修復でした。それによって公園の全体計画のみならず、藤棚(パ
ーゴラ)、露壇(テラス)、水階段(カスケード)、遊具(すべり台)などの構造物など、ディテールを含め
て創建当初の形態がよく保存され、継承されています。
  特に、復興三大公園(隅田公園、浜町公園、錦糸公園)などが、高速道路用地や大規模体育施設
等の用地に充てられ、旧態・原型を全く保っていない現在では、旧元町小学校及び元町公園は、関東
大震災後の首都東京の発展の歴史や都市計画を知る上できわめて重要であり、日本の貴重な文化
遺産であります。
 また元町公園は、本郷台地の崖線上の斜面や水を上手くデザインに取り込み、他の復興小公園に
比べても意匠的に優れたものです。景観的にも、神田川に面しJR中央・総武線の線路等からも良く観
望できる、連続性のある貴重な緑地帯を形成しております。江戸東京の地形とまちの熟成の軌跡を
雄弁に物語るこの緑地帯を巨大建築物によって断絶させることは、美しい都市景観の価値を著しく損
なうばかりでなく、ヒートアイランド現象著しい都心にあって、市民から潤いと安らぎを奪うものです。

元町公園および旧元町小学校の都市計画変更に関する経緯
 文京区は、震災復興小公園・元町公園を廃して体育館等の大規模複合施設を建設し、隣接する旧
元町小学校を取り壊して新たに公園を造成する計画をすすめています。この計画を進めるための都市
計画変更が2006年7月26日と12月22日の文京区都市計画審議会に諮られましたが、現在までのと
ころ、判断材料や説明不足等を理由に継続審議になり、結論は先送りとなっています。しかし、文京
区は12月22日の審議会後、年明け早々にも第三回の都市計画審議会開催の準備に入ることを表明
しています。
 12月22日の第二回都市計画審議会で初めて公表された区の具体案は、公園の全面的な取り壊し
案は影をひそめたものの、元町公園の外堀通りに面した正面の西側のみ保存し、メインの自由広場
等は上記の複合施設であるビル用地になる、というものです。復興小学校はすべて取り壊し、その跡
地に造成する新設公園は、陽のあたらない公園となり、風害や防災上の重大な欠点が容易に予測さ
れるにもかかわらず、既存の公園よりも機能的に改善されたものが提供できる、と詭弁を繰り返してお
ります。さらに、既存公園の保存部分と新設公園の一部が「総合設計制度」の「公開空地」扱いになる
ことを否定しておらず、ビルの容積は大幅に緩和されます。
 元町公園および旧元町小学校については、日本建築学会、日本造園学会、建築史学会、土木学会
、日本建築家協会など多方面からの保存要望書が提出され、その価値はすでに認知されたものとなっ
ております。また、近隣の地元住民からも署名を添えた嘆願書が文京区長宛に提出されております。
 しかしながら、文京区は体育館建設を優先させてこれらを軽んじ、この公園と旧小学校の歴史的・文
化的・学術的価値を正しく評価することを怠り、必要な調査も実施しないまま、事実上の取り壊しを急
いでおります。これは、文京区文化財保護条例に違反するだけでなく、国の文化財保護法にも抵触す
るゆゆしき事態です。

 文化財保護法のみならず都市公園法の精神をもないがしろにするような計画を強行しようとする文
京区は、現在の庁舎建設時にも重大な文化財保護法違反を犯し、同封いたしました参考資料のとお
り、当時の区長が文化庁長官宛に詫び状を提出しておりますことを申し添えます。

参考資料:
平成三年十二月三日付文京区長から文化庁長官あて書状


                          連絡先:東京都文京区千駄木3-1-1 谷根千工房気付 
                               文京歴史的建物の活用を考える会
                                 e_mail  s_tani@t.toshima.ne.jp
               URL http://www.toshima.ne.jp/~tatemono/
12月18日:海外からの保存要望書を区長あてに代理で提出。
本ホームページの英語版をご覧になった海外(アメリカ、フランス)の方々から6通7名分の保存要望書がメールでとどいた。全部に訳文をつけて、区長あてに提出。東京での生活経験がある人が多く、実に親身に心配してくれているので、朗報を伝えたいものだ。
7月31日および8月9日付け要望書に対する文京区からの回答 
 文京区は区の文化財保護審議会、景観審議会に正式に諮問せずに専門家の意見を聞いたと言っていますが、この両審議会は何のために設置されているのでしょうか?
 また、調査は行ったものの目的が明確でなく、単なるアリバイ作りに過ぎないと思われます。 12月22日の都市計画審議会にどのようなプランが提示されるか注目してください。平面計画だけが提示されて、肝心な建物の高さなどは示されないでしょう。
一部残したといって、実際には高層ビル建設計画が着々と進められているのです。
8月31日:8月30日付け要望書への区からの回答・・・区は景観審議会、文化財保護審議会に正式に諮問せずに、この意見交換会をもって、専門家の意見を聞いたことにし、都市計画審議会を強行突破しようとしているものと思われます。この意見交換会での学識経験者の意見に真摯に耳を傾け、なおかつ両審議会にも諮問すべきです。

                                                平成18年8月31日
文京歴史的建物の活用を考える会
  代表 □□  昇 様
                                                        
                                               文京区都市計画部
                                               部長 川北 喜美雄
                                                  (公印省略)


                  ご質問に対する回答について

日頃より区政に対しまして、ご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
「9月4日の意見交換会についての要望書」のご質問についてお答えいたします。

1 意見交換会の目的は、平成18年度第1回文京区都市計画審議会の都市計画公園の変更案に
 ついて、元町公園の歴史性の継承について専門家の意見を聞くべきとの意見があったためです。

2 文化財保護審議会は、教育委員会が別途対応を検討していることから文化財保護審議会委員
 を今回のメンバーに加える予定は、ありません。

3 区の職員の部課名及び役職名(出席予定)
  企画政策部  部長・企画課長・特命課長
  土 木 部  部長・みどり公園課長
  都市計画部  部長・計画調整課長
  教育推進部  部長又は課長

4 今回の意見交換会は、都市計画審議会での意見を踏まえ、緊急に専門家に意見を聞くために開
 催する会議であることから、一般の方の傍聴は考えておりません。
8月30日: 「9月4日の意見交換会についての要望書」・・・一部未回答
                                                 平成18年8月30日


文京区都市計画部長
 川北 喜美雄 殿



                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                            <たてもの応援団>   
                                             代表 □□  昇   


                9月4日の意見交換会についての要望書

 7月26日の都市計画審議会では、情報開示の不足や文化財保護審議会および景観審議会など専
門学識経験者の意見を聞くべきとのことから継続審議になった経緯がございます。この点については
良識あるご判断であったと敬意を表します。
 このたび、9月4日に学識経験者3名と職員7名による意見交換会が開催されるとのことですが、この
意見交換会の目的はどこにあるのでしょうか。ご回答ください。また、学識経験者は景観審議会、都
市計画審議会、日本造園学会から各1名と伺っております。これには文化財保護審議会も当然メンバ
ーに加わるべきと思いますので、学識経験者として加えてください。また、区の職員7名の部課名およ
び役職をご回答ください。
  なお、当会から7月31日付、区長宛に要望している通り(未回答)、この意見交換会を開催するにし
ても、正規の審議会はそれぞれ開催し元町公園の価値について正式に諮問すべきと考えますので、
ここに改めて要望いたします。
 これまで、文京区では秘密裡に物事を取り決め、様々な混乱を招いてきた経緯がございますので、
そのようなことがないよう今回の意見交換会は一般の傍聴を認めるよう強く要望いたします。

  なお、この要望書に対する回答を9月1日必着でメールまたはFAXでいただきたく、どうぞよろしくお
願い申し上げます。



                         連絡先:東京都文京区千駄木3−1−1 谷根千工房気付
                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                                Fax 03-3822-7623
                                               s_tani@t.toshima.ne.jp

8月9日:「都市計画審議会」の開催時期等に関する要望書提出・・・
                             平成18年12月13日付回答あり
                                                 平成18年8月9日



文京区長 煙山 力 殿



                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                             <たてもの応援団>   
                                               代表 □□  昇   


             「都市計画審議会」の開催時期等に関する要望書

   当会では、さる7月26日に開催されました、平成18年度第1回文京区都市計画審議会を傍
聴し、さらに8月4日の文化財保護審議会をも傍聴いたしました。
 文化財保護審議会では、区よりの諸議題の審議後、元町公園および旧元町小学校校舎の文化財
価値について議論がなされました。当該の審議中、区側が、区当局諮問以外の議題を議論するこ
とを頑なに拒む姿勢を示したことは誠に奇異かつ遺憾であり、却って学識経験者の先生方の関心
と疑心を誘ったかの観さえありました。審議会の最後に審議会委員有志による現地視察の実施が
確認され、8月7日に視察が行われた旨聞き及んでおります。
  次回の都市計画審議会は、8月末に開催を企図しているとのことですが、文化財保護審議会の
見解がまとまるまでは、拙速に都市計画審議会を開催すべきではないと考えます。
この旨は、7月26日の都市計画審議会上においても、文化財・景観等、諸領域の専門家に諮り、その
評価を聞く必要があると結論づけられておりますので、景観審議会の開催とその評価の尊重をも含めて、念のため、上記の旨を強く要望します。

  次回、都市計画審議会開催に当たっては、諸分野の専門家の評価を尊重することはもちろん、当
該の都市計画変更の全体像及びその意義、予てより区が述べるところの「プロポーザルの内容・方
式」等について、正確且つ具体的で十分な情報を委員に提供・開示の上、多くの区民が理解・納得
できるような公明正大な議論が交わされるよう、特段のご配慮をお願い申し上げます。

  なお、この要望書に対する回答を文書でいただきたくお願い申し上げます。




                         連絡先:東京都文京区千駄木3−1−1 谷根千工房気付
                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                              s_tani@t.toshima.ne.jp

8月 7日:文化財保護審議会委員有志、元町公園巡検

★巡検の様子は、以下のブログにレポートがあります。

   http://www.npo-rprogram.jp/motomachi/blog/200608/000054.html#more
8月4日:文化財保護審議会傍聴記(正規の速記録ではありませんので、発言の一言一句を正確には記せません。雰囲気を読み取ってください。)
 文化財保護審議会 午前10時〜12時 シビックセンター20階 教育委員会室

 文化財保護審議会委員全員出席  
   中村ひろ子(民俗)=会長
   林 亮勝(史跡)=副会長
   谷川章雄(考古)
   藤井英二郎(庭園)
   宮崎勝美(古文書)
   内田青蔵(建造物)
   副島弘道(美術工芸)
 区は教育推進部長、原口庶務課長、青木文化財係長ほか4名

  傍聴5名、取材1社(毎日)

 会長から「文京区は文化財を大切にする区というイメージを大切にすべき」との挨拶があった。
正規の議題、終了後、たてもの応援団から文化財保護審議会会長あてに提出した「文化財保護審
議会」の議題に関する要望書が委員に配布された。

原口庶務課長 :都市計画審議会で元町公園の都市計画変更が審議され、この要望書がだされたが
、要望書配布はあくまでも参考資料。文化財保護審議会は教育委員会の諮問をしたことを審議してい
ただくなっている。体育館建て替えが急務、区政全体を見渡した中で計画を進めたい。

中村会長:文化財保護審議会は文化財全体に目配りするのが役割と認識している。

藤井:元町公園は後藤新平の意を受けて作られた52箇所の震災復興小公園のひとつ。小学校と隣
接する形で作られた。多くは改変されたが、元町公園は非常に良く残っている。昭和60年に、とても
いい補修を行った。神田川を見渡すところにある。傾斜地の地形を考えてカスケードなどを作った。
井下清が洋行後に作ったもので、文京区としては残すべき。

会長:他の51箇所はどうなっているか

藤井:時代の要請で少しずつ変ってきているが、元町公園は神田川に面するところが非常に良く残っ
ている。

内田):震災復興小学校は災害時のシェルターでもあり、鉄筋コンクリートでしっかり作られている。小
学校の校庭と公園は一体で使うようになっており、市民生活の拠点でもあった。一体で残すべき。

中村会長:諮問・答申の事案ではないが、どうしたらいいか?(ここで、元町公園の写真が掲載された
歴史館の展示カタログが回覧される)

内田:文化財的価値については判断すべき。

藤井:国の文化財保護審議会の名勝部会のメンバーが河合文化庁長官あてに指定の要望を出して
いる。また、都も指定の打診をした。

原口庶務課長):教育委員会としては正式な議題とするのは難しい。報告をしたので、意見を聞く。意
見をいただくのはいい。

副島:文京区は要望書を受け取って、どのように回答したのか?

原口課長:回答は出していないが、公益性と区からの計画がでていることを考慮して、諮問はしない
方針。

宮崎:なぜ、議題にするのが難しいのか?

原口庶務課長:文化財保護審議会の条例では、諮問に応じて答申を出す。その他のことは、所掌事
務ではない。

副島:条例を誤解している。20条により、諮問するのは不可能ではない。

谷川:諮問される前に、指定物件を上げる前に話し合うことは、今までにやってきている。区内の近代
庭園などをどうするかということをきちんとしておく必要がある。港区は新しいものだが、国際文化会館
の庭園を指定した。条例を楯にすべきではない。別途懇談会を設置して真剣な議論をすべき。

内田:文化財価値があるのであれば、そのことを言いたい、そうでなければ意味がない。どうしても壊
す場合には、その壊し方や記録の残し方を検討すべき。

推進部長:議論を封じるものではない。学会からの意見書、元町公園近隣の町会長からも「配慮して
新しい公園を」との要望もでている。

藤井:移設し、できる限り保全する、とのことだが、公園はその地形をもとに設計してあり、移設では
構成が崩れてしまう。移設は意味がない。最初から「移設あり」ではおかしい。建物と一緒に残して
ほしい。区全体の状況や要請により文化財の評価を下げることはできない。審議会の存在意義がな
くなる。

中村会長:計画についてということではなく、文化財としての意義を共通認識としてもつことが必要。

谷川:時間が迫っている。もういっぺん仕切りなおし、懇談会でも作って真剣に議論すべき。

宮崎:各学会の要望書もでている。文化財としての意味について、懇談会を設けるのも難しい。文化
財保護審議会として要望することは可能か?

藤井:共通の土壌になるためにも現場を見ていただきたい。
内田:でられる人だけでも見ていただきたい。

会長:文化財審議会がどうあろうと、計画はすすむのですよね。計画を変えることは難しいが、審議
会として何らかの回答を出さざるを得ない。

○○:ともかく現地を見ましょう

区:都計審は8月末に開催する。現地視察の日程は調整する。

中村会長:震災復興公園としての歴史遺産、庭園の二つの観点があるようだ。


★これ以降は事務的打ち合わせということで、傍聴者は室外へ。


8月1日:文化財保護審議会の議題に関する要望書を提出・・・区は諮問を頑なに拒んでいます。
                                                  平成18年8月1日



文京区文化財保護審議会
会長 中村 ひろ子 殿



                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                             <たてもの応援団>   
                                              代表 □□  昇   


               「文化財保護審議会」の議題に関する要望書

 当会では、さる7月26日に開催されました「平成18年度第1回文京区都市計画審議会」を傍聴させて
いただきました。当日の審議会では、元町公園の都市計画変更について活発な質疑検討がなされま
したが、当該の都市計画変更の意義、プロポーザルの内容・方式等、区側から提供された事前の情
報が不十分だったことや、元町公園および旧元町小学校の文化財価値についての判断がまちまちで
あったことから「文化財保護審議会」に諮り、その判断を求めるべきとの意見がございました。また、
元町公園は景観上も重要であるとの観点から「景観審議会」にも諮って、その評価を得る必要がある
とのことでした。
 審議材料の不足ということと、さらに諸領域の専門家の判断を仰ごうということで、継続審議にされた
ことは、都市計画審議会委員の方々の良識あるご判断であったと敬意を表します。
 つきましては、文化財保護審議会は貴職が招集することになっていると聞き及んでおりますので、是
非とも、文化財保護審議会を開催していただき、正確且つ十分な情報を委員に提供・開示の上、正規
の議題として「震災復興元町小公園および旧元町小学校」の文化財価値をご審議していただきますよ
う要望いたします。

 なお、この要望書に対する回答を文書でいただきたくお願い申し上げます。



                         連絡先:東京都文京区千駄木3−1−1 谷根千工房気付
                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                               
8月1日:教育長あて「文化財保護審議会」の議題に関する要望書を提出・・・・
8月4日の審議会において、区は頑なに諮問することを拒んでいます。
                                                   平成18年8月1日



文京区教育委員会
    教育長 殿


                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                             <たてもの応援団>   
                                              代表 □□  昇   


              「文化財保護審議会」の議題に関する要望書

 当会では、さる7月26日に開催されました「平成18年度第1回文京区都市計画審議会」を傍聴させて
いただきました。当日の審議会では、元町公園の都市計画変更について活発な質疑検討がなされま
したが、当該の都市計画変更の意義、プロポーザルの内容・方式等、区側から提供された事前の情
報が不十分だったことや、元町公園および旧元町小学校の文化財価値についての判断がまちまちで
あったことから「文化財保護審議会」に諮り、その判断を求めるべきとの意見がございました。また、元
町公園は景観上も重要であるとの観点から「景観審議会」にも諮って、その評価を得る必要があるとの
ことでした。
 審議材料の不足ということと、さらに諸領域の専門家の判断を仰ごうということで、継続審議にされた
ことは、都市計画審議会委員の方々の良識あるご判断であったと敬意を表します。
 つきましては、本日、文化財保護審議会会長宛に、「文化財保護審議会を開催していただき、正確
且つ十分な情報を委員に提供・開示の上、正規の議題として「震災復興元町小公園および旧元町小
学校」の文化財価値をご審議していただきますよう要望いたします。」という内容の要望書を提出いた
しました。この件につき、全国の注目を集めている事案ですので、ご高配を賜りますよう何卒よろしくお
願い申し上げます。

 なお、この要望書に対する回答を文書でいただきたくお願い申し上げます。



                         連絡先:東京都文京区千駄木3−1−1 谷根千工房気付
                                       文京歴史的建物の活用を考える会


7月31日:文化財保護審議会、景観審議会開催要望書(この要望書を提出後、文化財保護審議会の召集は区長ではないことがわかり、翌日、改めて文化財保護審議会開催要望書を提出しました)・・・・平成18年12月13日付回答あり
                                                  平成18年7月31日


文京区長 煙山 力 殿



                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                            <たてもの応援団>   
                                             代表 □□  昇   


               「文化財保護審議会」および「景観審議会」の
                      開催を求める要望書

 当会では、さる7月26日に開催されました「平成18年度第1回文京区都市計画審議会」を傍聴させて
いただきました。当日の審議会では、元町公園の都市計画変更について活発な質疑検討がなされま
したが、当該の都市計画変更の意義、プロポーザルの内容・方式等、区側から提供された事前の情
報が不十分だったことや、元町公園および旧元町小学校の文化財価値についての判断がまちまちで
あったことから「文化財保護審議会」に諮り、その判断を求めるべきとの意見がございました。また、元
町公園は景観上も重要であるとの観点から「景観審議会」にも諮って、その評価を得る必要があるとの
ことでした。
 審議材料の不足ということと、さらに諸領域の専門家の判断を仰ごうということで、継続審議にされた
ことは、委員の方々の良識あるご判断であったと敬意を表します。
 標記の両審議会は貴職が招集することになっていると聞き及んでおりますので、是非とも、「文化財
保護審議会」および「景観審議会」を開催していただき、正規の議題として「元町公園・旧元町小学校
の改変(都市計画変更)」を採り上げ、正確且つ十分な情報を委員・市民に提供・開示の上、専門の
学識経験者の意見・評価を得てくださいますよう要望いたします。

 なお、この要望書に対する回答を文書でいただきたくお願い申し上げます。



                         連絡先:東京都文京区千駄木3−1−1 谷根千工房気付
                                       文京歴史的建物の活用を考える会

7月26日:都市計画審議会傍聴
都市計画審議会 午後2時〜4時30分 シビックセンター24階
 学識経験者3名
  戸沼幸市(早稲田大学名誉教授)会長
  大方潤一郎(東京大学教授)会長代理
  梶島邦江(埼玉大学教授)
 区議7名
  東村昭平(区議・新生クラブ))
  山本一仁(区議・新生クラブ)
  国府田久美子(区議・共産党)
  岡崎義顕(区議・公明党)
  藤野美子(区議・公明党)
  角野英毅(区議・自民党)
  鹿倉泰祐(区議・市民フォーラム)
 関係行政機関職員3名
  関矢孝治(富坂警察署長)
  矢野佳次(小石川消防署長)
  吉田安輝(都第六建設事務所長)
 区民委員3名
  服部真一(社・東京中小建築業協会名誉会長)
  設楽亮一(文京区大塚5丁目)
  笠原忠克(文京区大塚2丁目)

 最初に区長の挨拶があり、区長退出後、審議がはじまった。まず、区の担当者から今回の都市計画
変更の趣旨等の説明が配布資料に基づいて行われた。

 その後、区の説明に対する疑問・質問が各委員からだされた。今回の計画は南側に巨大ビルを建て
、北側に公園を移設するという常識では考えられない計画だが、区は日照を確保するという。特に東
京都から打診されていた元町公園の文化財指定については、区がきちんとした対応をしていなかった
ことが明らかになった。ついで各委員が意見を述べ、やってみなければ分からないから賛成(駄目だっ
たら取り返しがつかないのに)という委員もいたが、全体としては、プロポーザルに関する情報の開示
が不十分で全体像が見えない。判断の仕様がない。また、元町公園の文化財価値については意見が
さまざまで、文化財保護審議会に諮り、景観については景観市議会の評価を得るべきとの意見がだ
され、この日の審議会は継続審議になった。
 開示された情報が不十分ということは、隠された部分が多々あることが明らかになったわけで、継続
審議にされたのは、審議会委員の方々の良識の結果だと思う。元町公園については、全国の注目を
集めているので、区が自ら文化財の破壊をするという汚点を残さないように願う。
 今回は審議時間が30分延長、傍聴者も満席という状況で区民の関心の高さが伺えた。

 なお、今回の都市計画変更についての意見書総数は75通で、全部が反対。賛成は0。
  
7月25日:文京区長あて署名754名分を提出
要望書は6月7日提出のものと同文。署名は、8月9日に追加55名分を提出。(累計809名)
6月28日:元町公園の都市計画変更に関する意見書提出(都市計画変更の縦覧により提出したもの)・・・縦覧による意見書は全部で75通、賛成0、反対75です。
                                                 平成18年6月28日


文京区長 煙山 力 殿

 

                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                             (たてもの応援団)    
                                             代表 □□   昇    


           元町公園に関する都市計画公園の変更に関する意見書

 「文京歴史的建物の活用を考える会」は、文京区に所在する文化財や景観資源を保存活用する活
動を行ってまいりました。千駄木の旧安田楠雄邸は東京都名勝に指定され、今春、建物の修復が終
り徐々に公開される見通しです。また島薗邸は国の登録文化財として、地域の景観に風格を与えて
おります。私どものこのような活動に対し、文京区より平成15年度「景観活動賞」を授与されました。
 さて、標記について6月26日に元町公園に関する都市計画公園の変更案を縦覧いたしました。
変更案では、現在ある小公園・元町公園(約0.35ha)を隣接する旧元町小学校跡地に街区公園・元町
公園(約0.36ha)として変更するというものでした。つまり歴史的にも貴重な小公園・元町公園を廃止し
て小学校跡地に街区公園を作るということです。同じ面積の公園をわざわざ隣接地に置き換えるという
ことは、現在ある元町公園の場所に湯島体育館等の大規模施設を移設することがすでに決定している
としか思えません。湯島体育館は道路の幅員の関係で建て替えが出来ないとのことですが、仮に湯
島体育館を廃止した場合、その跡地には何も建てないということでしょうか?体育館は建てられないが他の施設は建つということであれば、都市計画審議会を形骸化するとともに区民への正しい情報公開
という点からも由々しき問題です。
 私どもは去る6月7日付で区長宛に元町公園保存要望書を提出いたしましたが、「歴史もあり、優れたものであることは、文京区としても認識しています」と回答をいただきました。認識しているのであれば、そのために知恵を絞るのが区政を預かるものの責務であり、東京都からの文化財指定の打診を断った
こととは大きな間違いです。また、バリアフリー実現のため移設するというのであれば、歴史もあり、優
れたものであるという認識と矛盾いたします。この論法では、安田邸にエスカレーターを設置すべきとい
うようなものです。
 私どもは下記の理由により旧元町小学校校舎、および元町公園を創建当初の形態に復原されている原状で保全し、歴史的資源を積極的に利活用すべきだと考えます。
 百歩譲って、どうしてもこの場所に体育館等が必要なのであれば、旧元町小学校校舎と一体化して
建設し、元町公園からのアプローチを活かせば、さらに魅力が増すと考えます。
 
                       記

1 昭和5(1930)年に開園した元町公園は、単に都市施設としての公園・緑地としての意味のみなら
ず、関東大震災の復興事業の中で進められた、モダンデザインによる小学校建築(一般に「復興小学校」と称する)及びそれと連接する小公園(一般に「復興小公園」と称する)の典型的な事例です。
 昭和60年に補修が行われましたが、残されたオリジナルの姿を保存し、戦争中に失われた部分など
は、当初の設計図をもとに当時のデザインを忠実に復原した意義ある修復でした。それによって公園の
全体計画のみならず、藤棚(パーゴラ)、露壇(テラス)、水階段(カスケード)、遊具(すべり台)などの
構造物など、ディテールを含めて創建当初の形態がよく保存され、継承されています。
 
2 復興三大公園(隅田公園、浜町公園、錦糸公園)などが、高速道路用地や大規模体育施設等の用地に充てられ、旧態・原型を全く保っていない現在では、旧元町小学校及び元町公園は、関東大震災
後の東京の発展の歴史や都市計画を知る上でも非常に重要であり、史跡・名勝として文化財指定されるに値する、きわめて貴重な文化遺産です。このことは、私たちや区民が貴重と考えているだけでなく、建築史や公園・造園史関係者など専門家のなかでも既に一定の評価を受けているものです。
 奇しくも来年2007年は、関東大震災の復興を指揮した後藤新平の生誕150年にもあたり、その記念
としても、これらを積極的に保存活用することこそが「歴史と文化のまち文京」を標榜する文京区に相応
しいものです。

3 上記で述べた建築史、都市史、造園史的な意義のみならず、元町公園は、本郷台地の崖線上の斜面や水を上手くデザインに取り込み、他の復興小公園に比べても意匠的に優れたものです。また景観
的にも、神田川に面し中央・総武線の線路等からも良く観望できる、連続性のある貴重な緑地帯を形成しております。この緑地帯を巨大建築物によって断絶させることは、美しい都市景観の価値を著しく損なうばかりでなく、ヒートアイランド現象著しい都心にあって、市民から潤いと安らぎを奪うものです。

4 文京区基本構想「『文の京』の明日を創る」(平成13年7月)の基本政策(4)「『文の京』の伝統を保全…」のなかで、「文化遺産・庭園・歴史的建築物などの維持・保全を図る」とした上で、「歴史的遺産
の価値に対する共通認識を醸成し、その保存と活用を図る」と謳っています。今回の計画はこの基本
構想の理念や謳われた計画内容に逆行するとともに、基本構想および区民憲章において「協働協治」
を謳いながら、区民への周知をまったく行わないままに、区民全体の、ひいては国民の貴重な文化遺
産の改廃を決定するのは、その理念・精神に背くことです。
 今回、文京区が強行しようとしている計画は、壊したら二度と復元の出来ない貴重な文化遺産を、区
が自ら破壊する行為です。区民のみならず文化財の価値を認識し愛する全国の人々に恥じることのな
いよう、慎重にご審議くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。


                                  連絡先:113-0022文京区千駄木3−1−1
                                                  谷根千工房気付
                                 URL http://www.toshima.ne.jp/~tatemono/
6月17日着:月7日付要望書に対する区からの回答・・・他団体への回答と同文です。


文京歴史的建物の活用を考える会
 代表 □□ 昇様

                                文京区企画政策部企画課長 徳田 隆
                                文京区都市計画部参事   小野孝道
                                文京区土木部みどり公園課長 篠原あや子
                                       (公印省略)

      旧元町小学校及び元町公園の保存活用を求める要望書について(回答)

 元町公園が、公園と小学校が一帯となった震災復興公園として、歴史もあり、優れたものであることは、文京区としても認識しています。
 しかしながら、現在の元町公園については、高低差が多く、平地面積が少ないため、近隣の利用者
からは、快適性や防災的な機能を求める要望も出されており、さらに、デザインを優先した結果、バリ
アフリー化が困難であるとともに見通しの悪いところにホームレスが常駐し、苦情も多く寄せられ、利
用者が減少するなど、運営上の課題も多く抱えているところです。
 また、公園に隣接した元町小学校は、平成10年4月に本郷小学校に統合され、残された校舎は現在、専門学校に貸し出されております。
 したがって、復興公園の目的である、隣接した小学校の校庭との併設により、空地面積を確保し、校庭の延長としての近隣コミュニティの核として利用されるとの意味付けは、元町小学校廃校の時点で
終えたと考えています。
 一方、文京区基本構想には、「レクリエーション施設、スポーツ施設の整備・充実を図る。」ことが謳
われており、法的に現地での建替えができない情況にある老朽化した湯島総合体育館の建替えは、
緊急の課題となっております。
 このため、体育館の建替え用地として元町小学校跡地を活用することとし、それに伴い、元町公園も
より快適に利用しやすい、防災機能も備えた公園として一帯整備を図ることとしています。不特定多数
の人たちが利用する体育館と機能をより向上させた公園を一帯整備するためには、現在の公園の位
置を、小学校跡地側に移し、体育館を外堀通り側にする方がより適切と判断したものです。
 また、体育館の整備に当たっては、公的な性格を持つ団体を対象に、プロポーザル方式による公募
を行なう予定にしています。
 現在の元町公園が持っている、神田川沿いの緑の連携や歴史性については、プロポーザルの前提
条件とし、可能な限り配慮するつもりです。


6月7日:「旧元町小学校及び元町公園の保存活用を求める要望書」提出
                                                  平成18年6月7日


文京区長 煙山 力 様


                                       文京歴史的建物の活用を考える会
                                             (たてもの応援団)    
                                             代表 □□   昇    


          旧元町小学校及び元町公園の保存活用を求める要望書

 「文京歴史的建物の活用を考える会」は、文京区に所在する文化財や景観資源を保存活用する活
動を行ってまいりました。千駄木の旧安田楠雄邸は東京都名勝に指定され、今春、建物の修復が終
り徐々に公開される見通しです。また島薗邸は国の登録文化財として、地域の景観に風格を与えて
おります。私どものこのような活動に対し、文京区より平成15年度「景観活動賞」を授与されました。
 さて、文京区では本郷一丁目に所在する元町公園を廃して体育館等の大規模施設を建設し、旧元
町小学校の場所に公園を造成する計画がすすめられていると聞いております。
 私どもは下記の理由により、旧元町小学校校舎を保存活用し、元町公園を創建当初の形態に復原
されている原状で保全し、歴史的資源を積極的に利活用されるよう強く要望いたします。

                          記

1 昭和5(1930)年に開園した元町公園は、単に都市施設としての公園・緑地としての意味のみなら
ず、関東大震災の復興事業の中で進められた、モダンデザインによる小学校建築(一般に「復興小学校」と称する)およびそれと連接する小公園(一般に「復興小公園」と称する)の典型的な事例です。
 昭和60年に補修が行われましたが、残されたオリジナルの姿を保存し、戦争中に失われた部分な
どは、当初の設計図をもとに当時のデザインを忠実に復原した意義ある修復でした。それによって公
園の全体計画のみならず、藤棚(パーゴラ)、露壇(テラス)、水階段(カスケード)、遊具(すべり台)な
どの構造物など、ディテールを含めて創建当初の形態がよく保存され、継承されています。
 
2 復興三大公園(隅田公園、浜町公園、錦糸公園)などが、高速道路用地や大規模体育施設等の
用地に充てられ、旧態・原型を全く保っていない現在では、旧元町小学校及び元町公園は、関東大震
災後の東京の発展の歴史や都市計画を知る上でも非常に重要であり、史跡・名勝として文化財指定
されるに値する、きわめて貴重な文化遺産です。このことは、私たち区民が貴重と考えているだけでな
く、建築史や公園・造園史関係者など専門家のなかでも既に一定の評価を受けているものです。
 奇しくも来年2007年は、関東大震災の復興を指揮した後藤新平の生誕150年にあたり、その記念と
しても、これらを積極的に保存活用することこそが「歴史と文化のまち文京」を標榜する文京区に相応
しいものです。

3 上記で述べた建築史、都市史、造園史的な意義のみならず、元町公園は、本郷台地の崖線上の斜
面や水を上手くデザインに取り込み、他の復興小公園に比べても意匠的に優れたものです。また景観
的にも、神田川に面し中央・総武線の線路等からも良く観望できる、連続性のある貴重な緑地帯を形成
しております。この緑地帯を巨大建築物によって断絶させることは、美しい都市景観の価値を著しく損な
うばかりでなく、ヒートアイランド現象著しい都心にあって、市民から潤いと安らぎを奪うものです。

4 文京区基本構想「『文の京』の明日を創る」(平成13年7月)の基本政策(4)「『文の京』の伝統を保
全…」のなかで、「文化遺産・庭園・歴史的建築物などの維持・保全を図る」とした上で、「歴史的遺産
の価値に対する共通認識を醸成し、その保存と活用を図る」と謳っています。今回の計画はこの基本構
想の理念や謳われた計画内容に逆行するとともに、基本構想および区民憲章において「協働協治」を
謳いながら、区民への周知をまったく行わないままに、区民全体の、ひいては国民の貴重な文化遺産
の改廃を決定するのは、その理念・精神に背くことです。

今回の計画は、壊したら二度と復元の出来ない貴重な文化遺産を、区が自ら破壊する行為です。旧元
町小学校および元町公園の歴史的・文化的価値を文京区長はどのように判断・理解しているのでしょう
か。その上で今回の計画を強行し、文化財を破壊しても差し支えないと誰もが納得できるような理由を
文書で回答してくださいますようお願いいたします。




                                  連絡先:113-0022文京区千駄木3−1−1
                                                  谷根千工房気付
                                 URL http://www.toshima.ne.jp/~tatemono/
     


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